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食育だより2020年7月号 保育園給食の疑問を解説!「保育園の給食のうす味の理由とおいしいにつながる工夫」

ソシオークグループは、学校・保育園・病院・施設等での給食提供を基幹事業として57年の実績を持ち、
早くから食育の重要性に着目し、学校・幼稚園・保育園・学童事業所において、様々な食育プログラムを開発し豊富な実績を重ねて参りました。
食育は子ども自身が「食」に対する正しい姿勢や知識を身につけ、健やかに、より良く生きていくための基本です。
株式会社あしたばマインドが運営する明日葉保育園では、楽しく「食育」を身につけて欲しいと願い、様々な食育プログラムを実施しています。
「食育だより」では、明日葉保育園での食育の取り組みや給食レシピ、健康情報等をお届けさせていただきます。

 

保育園の給食は「日本人の食事摂取基準」をもとに栄養価の設定を行っています。今年2020年に食事摂取基準が改定となり、保育園給食でも栄養価の改定とともに給食へ反映を行っております。今回はその内容と、大きく変化した塩分(ナトリウム)おける給食への影響についてご紹介いたします。

 

日本人の食事摂取基準とは

健康増進法に基づき、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために摂取することが望ましいエネルギーおよび栄養素の基準を示すもので、5年に一度改定されています。
2020年度版では「社会生活を営むために必要な機能の維持および向上」が策定方針に追加され、
生活習慣病の予防や重症化予防に加え、高齢者の低栄養、フレイル(加齢による心身の活力の低下や、複数の慢性疾病の依存の影響等をうけて、生活機能に障害が生じること)予防を視野に入れた検討がされました。
年を重ねても、自分で歩き身の回りのことができるなど、健康的な体づくりの基盤となる食生活を目的とした栄養価基準が示されています。

 

2020年度の食事摂取基準の改定による、保育園給食における栄養価基準の変化

大きく変化したのは塩分(ナトリウム)量です。下記が変更の内容です。
大人の食事にも大きく影響しますので、ご参考までに大人と子どもの両方の値を記載いたします。

▼日本人の食事摂取基準における塩分<ナトリウム>摂取量と保育園給食の基準値

 

 

 

※2020年版の幼児の基準値にて、保育園で摂取すべきエネルギー量を45%/日と設定した場合は、塩分量は1.57gとなります。
※保育園給食基準値に含まれる食事区分としては、昼食と午後おやつが該当します。

 

保育園給食で提供する栄養量とご家庭で摂る栄養の割合について

1歳以上の乳幼児にも一日に摂るべき食事の栄養価目標量が設けられています。
その一日の食事で摂るべき栄養価目標量は家庭で摂る割合と保育園給食で摂る割合に分けられます。
おおよそ乳児は50%/日、幼児は40~45%/日が保育園で摂るべき栄養量となりますので、
乳児ならば残りの50%/日、幼児ならば残りの55~60%をご家庭で摂取するようお願いいたします。

上記の表に基づいて解説すると、2020年度の幼児(3~5歳児)の一日の塩分摂取目標量は3.5g未満です。
保育園給食における一日の割合である40%に当てはめると、
幼児は給食において摂取する塩分量を1.4g未満にする必要があります。
同様に1歳以上の乳児は(1~2歳児)は、給食での割合が50%なので1.5g未満となります。

 

明日葉保育園の給食献立への反映と工夫

塩分を減らすことで気になるのが食事の味。明日葉保育園の給食では五味といわれる「塩味・酸味・甘味・苦味・旨味」の中でも、
出汁や素材の旨味や素材もつ自然な甘みを活かした献立作成を行っています。
みそ汁などは出汁をしっかりととることで味噌の使用量を抑え、
おいしく感じられる味の濃さギリギリの分量にとどめるなどの調節を行っています。

また、旬の食材は味もはっきりとしていておいしく、栄養価も豊富です。
食材そのもののおいしさを感じてほしいということで、あえてほとんど味をつけずに提供することもあります。
とはいえ、野菜などを苦手とする子が多い時期でもありますので、
日々子どもたちの様子を把握し、保育職員と意見交換などを行い、
好む食材とのかけ合わせや、食感の工夫、調理法の工夫などを考慮し献立作成を行い、給食に反映しています。

さらに、サイクル献立の利点も活かし、月に2回同じ献立を食すことで、
お子様にとっては一度食べた献立のため、抵抗感を軽減し、食べ慣れるという効果にアプローチしています。
給食職員や保育職員にとっては、1回目の提供時の反応を見て、2回目の調理法や提供方法の検討・改善へとつなげています。

1年を通してお子様の成長に合わせた献立や栄養価の見直しなども行い、
食べることの大切さを伝えていけるよう引き続き取り組んでまいります。

▼保育園で乳児の塩分の栄養価基準である塩1.5g

なぜ塩分の摂りすぎに注意する必要があるのか   

塩分を摂りすぎた食事の後に喉が渇いたりすることはありませんか?
これは体内の塩分濃度が高まることによって、それを低下させようと体が水分を求めるためです。
その際に血液の塩分濃度の異常を知らせるフィルターの役割となるのが腎臓。
塩分過多の食事が腎臓に負担をかけるといわれるのはこのためです。

多くの水分を取り込んだ体は、むくみの症状が現れやすくなり、血液量も増えるため血管を圧迫し、高血圧を引き起こす可能性が高くなります。この高血圧は、生活習慣病を引き起こす一因とも言われています。

塩分量を注意しなくてはいけないのは大人だけではなく、乳幼児期のお子様であっても注意しなければなりません。
そのポイントを2つご紹介します。

⑴塩分過多による体や臓器への負担
⑵味覚形成時期における濃い味への執着

乳児期・幼児期それぞれ説明します。
乳児の体は最も水分量が多く、水分を最も必要とする時期でもあります。
水分不足になると、体は細胞の水分を奪っていくため、脱水症状を引き起こしやすくなります。
また、私たちの舌にある味蕾(みらい)という味を感じるセンサーは、乳児期が最も多く、味に敏感です。
離乳食に調味料を使用せず素材の味から始まり、徐々に極うす味で調味されるのは、
塩味などがなくとも素材の味を最も感じられる時期であるからだということも理由の一つです。
ここで塩分の濃い離乳食を与えると強烈な味覚を感じるとともに、未熟な乳児の腎臓に負担がかかることにもつながります。
離乳食は大人にはとても薄いと感じる程度が乳児にとって適切です。

幼児期には食べられるものが増え、大人と同じ食事を食べるようになります。
ところが、味蕾の数は年を重ねるごとに自然と減少していくものでもあるため、幼児の舌の味蕾の数と大人の舌の味蕾の数には差があります。
その中で大人の舌に合わせた塩分の濃い食事をとり続けると、
幼児の舌も徐々にその濃さに慣れてしまうことで感受性が鈍り、味蕾の数が減少していきます。
その結果、濃い味のものを好むようになってしまうのです。

また、活動が活発化し、汗もたくさんかきますので、
発達段階の体への負担を減らすためにも、水や麦茶などでの水分補給を中心にしていくことが重要です。

 

塩分(ナトリウム)と深い関わりのあるカリウムとのバランスが大切

体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出してくれる働きを持つ栄養素にカリウムがあります。
カリウムは主に野菜や果物に多く含まれており、体内の塩分濃度を調節する働きがあります。
とはいえ、カリウムを摂るから塩分を多く摂取してもいいということではなく、
栄養価基準をもとにした食事と十分な水分補給を行うことによって、体内のバランスを良い状態に保つことが大切だということです。
そのため、保育園給食でも食事に野菜や果物を取り入れることを念頭に置き、献立作成を行っています。

味の濃さは良くも悪くも慣れてしまうものです。
大人の私達も健康な体づくりのために減塩を意識していく必要は大いにありますので、
この機会にお食事の味の濃さに着目してみてはいかがでしょうか。

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